日本化学療法学会では、これまで抗菌薬感受性測定・臨床評価委員会として抗菌薬のブレイクポイントについて検討を行い、呼吸器感染症、尿路感染症、敗血症における臨床的なブレイクポイントを設定してきた(Chemotherapy 42:906-914, 1994, 日本化学療法学会雑誌 45: 712-726, 1997, 日本化学療法学会雑誌 45: 757-761, 1997, 日本化学療法学会雑誌 53: 557-559, 2005)。その後委員会名称を抗菌薬ブレイクポイント委員会に変更し、前回までの委員会報告以降、新たに検討した抗菌薬について、臨床的ブレイクポイントを設定した(日本化学療法学会雑誌57:343-345, 2009)。
今回、会員より寄せられた要望を反映して、本ブレイクポイントをホームページ上に公表するものであるが、呼吸器感染症および敗血症については、臨床試験での体内動態成績等から臨床的ブレイクポイント理論値を算出し(Chemotherapy 42:906-914, 1994)、さらに主に二重盲検比較試験等における臨床効果との比較を行い、計算式で得られたブレイクポイント理論値の妥当性について検証して設定したものである。また尿路感染症についても、これまで用いられてきた計算式(日本化学療法学会雑誌 45: 712-726, 1997)を用いてブレイクポイントを算出し、その相当性について議論を行い設定したものである。したがって、以前の抗菌薬の投与法と現在の投与法がPK-PD理論で大きく変わってきており、あくまで参考値として参照していただきたい。今後PK-PD理論を踏まえたブレイクポイントを検討していく予定である。
呼吸器感染症(PDF 57KB)
Chemotherapy42;906-914,1994,日本化学療法学会雑誌45;757-761,1997,
日本化学療法学会雑誌53;557-559,2005,
日本化学療法学会雑誌 Vol. 57, 2009年4号(7月) p.343~345
敗血症(PDF 48KB)
Chemotherapy42;906-914,1994,日本化学療法学会雑誌45;757-761,1997,
日本化学療法学会雑誌53;557-559,2005,
日本化学療法学会雑誌 Vol. 57, 2009年4号(7月) p.343~345
尿路感染症(PDF 53KB)
日本化学療法学会雑誌45;712-716,1997,
日本化学療法学会雑誌 Vol. 57, 2009年4号(7月) p.343~345