令和5年11月14日
新型コロナウイルス感染症の診療に携わる医療関係者各位
妊婦にとって禁忌とされている新型コロナウイルス感染症治療薬の
処方並びに調剤に関する合同声明文
妊婦にとって禁忌とされる新型コロナウイルス感染症の治療薬が処方・調剤され、その後に本人が妊娠していることが判明した事例が多数報告されています。その結果、実際に薬を服用した患者は大変に大きな不安を抱えて妊娠と向き合うこととなっています。
これらの事例の多くは、医師の問診に対するご本人による申告や処方前に用いられるチェックリストによる確認を通じて、処方について問題ないと判断されていました。また、処方箋が薬局に持ち込まれた際の、薬局薬剤師による聞き取りやチェックリストによる確認の際にも、調剤について問題ないと判断されていましたが、結果として、妊婦への処方・調剤事例となっています。
新型コロナウイルス感染症の治療薬を処方される医師並びに調剤される薬剤師の方々においては、妊娠可能年齢の女性である場合、ご本人への問診の結果、妊娠の可能性がないと申告されても完全には排除できるものではないということに是非ご留意頂きたく思います。そのうえで、患者さんに丁寧な説明を行うとともに、妊婦にとって禁忌とされている新型コロナウイルス感染症の治療薬を妊娠可能な世代の女性の患者さんに処方あるいは調剤するかどうかについて、くれぐれも慎重にご判断いただきますよう、お願い申し上げます。
一般社団法人日本感染症学会 理事長 長谷川直樹
公益社団法人日本化学療法学会 理事長 松本 哲哉
公益社団法人日本産科婦人科学会 理事長 加藤 聖子
公益社団法人日本医師会 松本 吉郎
公益社団法人日本薬剤師会 山本 信夫
最終更新日:2023年11月14日