日本化学療法学会

お知らせ

メロペネムの一部供給停止への対応について

(2022年11月18日 掲載)

公益社団法人 日本化学療法学会 理事長 松本哲哉
一般社団法人 日本感染症学会 理事長 四柳 宏
一般社団法人 日本環境感染学会 理事長 吉田正樹
一般社団法人 日本臨床微生物学会 理事長 松本哲哉


会員各位

 現在、各種の抗菌薬の安定供給が問題となっており、すでに本学会を含む5学会は厚生労働大臣宛に「抗菌薬の安定供給に向けた提言」を本年3 月10 日に提出させていただきました。しかし、その後も各種抗菌薬の供給停止や出荷調整が続いており、皆様が所属しておられる施設でもさまざまな問題に直面されているものと思います。

 このような状況下において、臨床の現場で特に使用頻度の高いメロペネムについても供給不足が生じております。これはメロぺネム点滴静注用 0.5g「トーワ」およびメロペネム点滴静注用0.5g「サワイ」の供給停止に伴い、一部の医療機関ではメロペネムの入手がかなり困難になっていることによると伺っております。ただし、この問題を悪化させている背景には、メロペネムの買い占めがあるという指摘もなされています。

 これらの状況を踏まえて、下記の点について会員の皆様に徹底をお願いします。

  1. メロペネムの発注量の適正化
    通常の使用量以上の発注や在庫の確保を目的とした発注については、所属される施設の担当の方ともご相談の上、極力控えていただき、従来の発注量に見合ったレベルに抑えていただくようお願いします。
     
  2. メロペネムの使用法の見直し
    抗菌薬の適正使用の観点から、メロペネムの使用対象のより厳格な絞り込みをお願いします。また、必要以上の長期間の投与を控えていただくとともに、デ・エスカレーションを含めて投与期間の適正化もご検討ください。
     
  3. 代替薬への切り替え
    メロペネムの代替薬の使用が可能な場合は、他薬剤を優先的に処方していただくことをご検討ください。実際の代替薬の選定については、症例毎に疾患や対象病原体により異なると考えられます。積極的に微生物検査を実施していただき、原因菌の確定や薬剤感受性の評価を行って、その結果に基づいた適切な抗菌薬の選択をお願いします。
最終更新日:2022年11月18日
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