日本化学療法学会

委員会報告・ガイドライン

小児科領域抗菌薬臨床試験における判定基準

論文名

小児科領域抗菌薬臨床試験における判定基準

委員会

  • 小児科領域抗菌薬感受性・臨床評価検討委員会
    委員長…砂川慶介
    委員…岩井直一・豊永義清・阪田保隆・春田恒和・佐藤吉壮・桑原雅明
  • 小児科領域抗菌薬臨床試験における判定基準作成委員会
    委員長…藤井良知
    常任委員…砂川慶介・岩田 敏・目黒英典・豊永義清・秋田博伸
    委員…小林 裕・西村忠史・久野邦義・岩井直一・本廣 孝・新納憲司

作成の趣旨ならびに経過

抗菌薬の臨床試験を多施設共同研究で行う場合には、個人差をなくすため一定の判定基準に従って行われることが結論の正確性を高めるための基本的条件である。
特に治験薬有効性判定の基本である臨床効果および細菌学的効果の判定基準ならびに安全性判定の基本である副作用、臨床検査値異常の判定基準を中心として「小児科領域抗菌薬臨床試験における判定基準(初版)1)」を作成し1993年以後の試験は本基準によることとし所期の成果をあげてきた。
1998年に記載事項の個人的な解釈の差を避けるため語句の体裁を整え、また感染症重症度の一部に改変を加え第2版2)を作成した。
この度日本化学療法学会の事業として「小児科領域抗菌薬感受性・臨床評価委員会」を設置し、小児科領域の「臨床試験判定基準」を作成することになった。
従来の臨床試験の臨床評価との整合性を考慮して、この「小児科領域抗菌薬臨床試験における判定基準」を基にして、委員会においてその運用上の問題点・改良すべき事項の有無を検討した。
臨床経過から、判定を一般細菌感染症と別途扱う必要があると考えた百日咳、化膿性髄膜炎は付録として独立した判定基準を作成して添付した。
本基準は完璧のものとは言い難く、今後医学の進歩や臨床試験の国際化に伴い改変の必要があると考えている。

1) 藤井良知,他:小児科領域抗菌薬臨床試験における判定基準(初版).Jap. J. Antibiotics. 46: 411~420, 1993
2) 藤井良知,他:小児科領域抗菌薬臨床試験における判定基準(改訂第二版).Jap. J. Antibiotics. 51: 709 ~719, 1998

小児科領域抗菌薬臨床試験における判定基準(PDF 272KB)

日本化学療法学会雑誌 Vol. 51, 2003年3月号 p.144~151

最終更新日:2014年3月20日
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