日本化学療法学会

委員会報告・ガイドライン

尿路性器感染症に関する臨床試験実施のためのガイドライン―第2版―

(2016年7月19日 修正)
(2016年5月31日 掲載)

論文名

尿路性器感染症に関する臨床試験実施のためのガイドライン―第2版―

委員会

公益社団法人日本化学療法学会
尿路性器感染症に関する臨床試験実施のためのガイドライン改訂委員会

委員長

荒川創一

委員

石川清仁、清田 浩、坂田 宏、重村克巳、高橋 聡、濵砂良一、速見浩士、三鴨廣繁、村谷哲郎、安田 満、山本新吾、渡邉豊彦

ガイドラインの改訂にあたって

 わが国における、尿路性器感染症に対する抗菌薬の効果を客観的に評価する基準としては、1970年代に尿路感染症に関する研究者が集い、最初の「UTI薬効評価基準」が報告され、その後、第3版まで改訂を重ねていった。一方、米国におけるIDSA・FDAのガイドラインやヨーロッパにおける薬効評価基準などが制定され、抗菌薬開発のグローバル化とともに、国際的なハーモナイゼーションが求められるようになった。この流れに応え、かつわが国で蓄積したデータとの互換がはかれるように、日本化学療法学会臨床評価法制定委員会泌尿器系委員会において検討がなされ、1996年に「UTI薬効評価基準第4版暫定案および追補」が作成された。
 その後、国際共同開発、海外データの外挿、ブリッジング試験の導入などが活発となり、さらなる国際的ハーモナイゼーションの必要性が増してきた。しかしながら国際的なハーモナイゼーションは、欧米とわが国における尿路感染症の病態や診断に関する相違や薬効判定と臨床的治癒判定の考え方の相違などにより、議論されるべき点が多かった。そこで、日本化学療法学会UTI薬効評価基準見直しのための委員会が設けられ、2009年11月に上記のUTI薬効評価基準の大幅改訂がなされ、名称も変えた「尿路性器感染症に関する臨床試験実施のためのガイドライン第1版」がまとめられた。
 今般、米国FDAの複雑性尿路感染症に対する臨床試験ガイダンスが見直され、そのエントリー基準における尿中細菌数等において、上記第1版との不整合が生じたことなどから、日本化学療法学会に尿路性器感染症に関する臨床試験実施のためのガイドライン改訂委員会が設けられ、第1版の全面改訂が論議された。その過程を経て完成した改訂版を、「尿路性器感染症に関する臨床試験実施のためのガイドライン第2版」と名付けて、ここに刊行するものである。

尿路性器感染症に関する臨床試験実施のためのガイドライン―第2版―(PDF 287KB)

日本化学療法学会雑誌 Vol. 64, 2016年3号(5月) p.479~493

訂正(PDF 63KB)

日本化学療法学会雑誌 Vol. 64, 2016年4号(7月) p.717

最終更新日:2016年7月19日
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