日本化学療法学会

委員会報告・ガイドライン

ブレイクポイントの臨床応用を考える ①フルオロキノロン剤

 ブレイクポイント臨床応用検討委員会が中心となり、「ブレイクポイントの臨床応用を考える ①フルオロキノロン剤」を発表することになりました。ブレイクポイント(BP)は、抗菌薬の臨床的有効性を推定する上で重要な指標の1つであり、米国を中心に利用されているCLSI(Clinical and Laboratory Standards Institute)、欧州EUCAST(European Committee on Antimicrobial Susceptibility Testing)、さらに本邦においても日本化学療法学会が1994年から独自のBPを発表してきました。米国、欧州、日本のBPの違いを理解することは、BPの臨床応用を進める上で重要であると思われます。
 ブレイクポイント臨床応用検討委員会では、日本化学療法学会が設定する計算式に基づくBPに加えて、PK/PD解析から得られるBP、さらに臨床例からその有効性が証明されているBPを比較して示し、BPの臨床応用を促進することを検討してきました。これらの値がCLSI、EUCASTの設定するBPとどのような関係にあるのか、それぞれのBPの特徴を理解し、効果的かつ適正な抗菌薬療法に活用していくことを考えています。さらに三学会合同抗菌薬感受性サーベイランス委員会との連携により、分離菌の感受性分布をEUCASTの成績と対比して示しています。
 BPは抗菌薬の臨床的有効性を推定するための1指標です。そして、複数の要因の統合的解析結果として設定されるBP値は決して絶対的なものではありません。各種BP、菌種別・抗菌薬別の感受性分布、そして新規抗菌薬の相対的MICに関する情報をもとに、BPのさらなる臨床応用に活用していただけば幸いです。

公益社団法人日本化学療法学会
一般社団法人日本感染症学会
一般社団法人日本臨床微生物学会
三学会合同ブレイクポイント臨床応用検討委員会
 委員長 舘田 一博

本書は解説および肺炎球菌のみ電子版(PDF形式)でご覧いただけます。
ブレイクポイントの臨床応用を考える ①フルオロキノロン剤(解説および肺炎球菌のみ)(PDF 723KB)

最終更新日:2018年3月20日
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