日本化学療法学会

委員会報告・ガイドライン

MRSA感染症の診療ガイドライン2024(Executive summary)

公益社団法人日本化学療法学会・一般社団法人日本感染症学会
MRSA感染症の診療ガイドライン作成委員会

(2024年6月17日 掲載)

「MRSA感染症の診療ガイドライン 2024」公表にあたって

 公益社団法人日本化学療法学会、および一般社団法人日本感染症学会は、この度、「MRSA感染症の診療ガイドライン2024」の公表に至りました。
 2013年に「MRSA感染症の治療ガイドライン」第一版が公表されて、10年を経過したことになります。2013年以降も状況の変化に対応するため、二木芳人委員長のもと、2014年、2017年と改訂版が作成され、2019年版(松本哲哉委員長)から4年ぶりの改訂です。新規薬剤は、2018年に新しい抗MRSA薬のテジゾリドが発売となりましたが、それ以降は新規薬剤の導入はありません。
 医療機関における感染対策と抗菌薬適正使用活動等により、国内の施設におけるMRSAの検出率は以前より低下してきているとはいえ、依然としてMRSAは多剤耐性菌のなかで最も遭遇する頻度の高い菌種であることに変わりはありません。また院内においても、従来の院内感染型MRSAからいわゆる市中感染型MRSAによる感染症が優位となってきており、疫学的な変化にも注目すべきです。したがって、MRSA感染症診療においては個々の症例の病態を考慮し、検査や診断、抗MRSA薬投与の必要性と最適な投与方法を含めて適切な診療を行うことの重要性が増しています。今回の改訂で、MRSA感染症の診療ガイドラインと名称が変わったのもそのような理由からです。さらに今回の改訂の特徴として、臨床に即したガイドラインをめざして、従来の叙述的な内容に加えてクリニカル・クエスチョン(CQ)を採用し、より臨床を意識した構成となっています。
 予定より公表が遅くなりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響下での改訂作業であったため、とくに委員の先生方にはご負担をおかけすることになりました。ガイドライン作成にご協力いただいた関係各位にあらためて深謝申し上げます。

公益社団法人日本化学療法学会・一般社団法人日本感染症学会
MRSA感染症の診療ガイドライン作成委員会
委員長 光武耕太郎

 

ホームページ掲載版

MRSA感染症の診療ガイドライン2024(Executive summary)(PDF 2.45MB)
日本化学療法学会雑誌 Vol. 72, 2024年3号(5月) p.251~321

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最終更新日:2024年7月1日
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