日本化学療法学会

委員会報告・ガイドライン

第2回抗菌薬適正使用支援プログラム全国調査アンケート;2018年度診療報酬改定後における感染防止対策加算の算定種類別解析

(2020年11月27日 掲載)

委員長

川口 辰哉(熊本保健科学大学保健科学部医学検査学科)

副委員長

賀来 満夫(東北大学大学院医学系研究科内科病態学講座感染制御・検査診断学部門)

委員

青木 洋介(佐賀大学医学部附属病院感染制御部)
田邊 嘉也(新潟県立新発田病院内科)
関  雅文(東北医科薬科大学病院感染症内科・感染制御部)
藤田 直久(京都府立医科大学感染制御・検査医学教室)
栁原 克紀(長崎大学病院検査部)
吉田耕一郎(近畿大学医学部付属病院安全管理部)
小阪 直史(京都府立医科大学病院薬剤部)
前田 真之(昭和大学薬学部臨床薬学講座感染制御薬学部門)
村木 優一(京都薬科大学医療薬科学系臨床薬剤疫学分野)
森田 邦彦(同志社女子大学薬学部臨床薬剤学)
山田 武宏(北海道科学大学薬学部臨床薬学部門薬物治療学分野)

オブザーバー

二木 芳人(昭和大学医学部内科学講座臨床感染症学部門)

序文

 2017年に日本化学療法学会をはじめとする関連8学会は合同で、「抗菌薬適正使用支援プログラム実践のためのガイダンス」を公表した1)。また、抗微生物適正使用推進検討委員会(以下、当委員会)は、2018年の診療報酬改定前に本邦初となる抗菌薬適正使用支援プログラム(antimicrobial stewardship programs;ASPs)の全国調査を実施し、ASPsの実施体制、実施状況および人的資源を明らかにした2)。さらに調査結果を解析した結果、医師と薬剤師のフルタイム当量(full-time equivalent;FTE)とASPsの実施状況に関連性があったことから、抗菌薬適正使用支援チーム(antimicrobial stewardship team;AST)のコアメンバーにおけるFTE推奨値を作成・公表した3)。
 2018年度の診療報酬改定において、感染防止対策加算に抗菌薬適正使用支援加算(AS加算)が新設された4)。算定のための構造的要件として、ASTの設置と、専任および専従者の配置等が求められている。また、ASTには感染症治療の早期モニタリングおよびフィードバック等、施設内における包括的なASPsの実践が求められている。ASPsの実践に対して診療報酬が支払われる制度は世界的にも類を見ない制度であり、AS加算により本邦の医療機関におけるASPsの推進および体制整備が期待される。
 そこで、当委員会はAS加算の影響を調査するために、診療報酬改定後のASPs実施状況に関する2回目の全国調査アンケートを実施した。調査結果の全体は英文誌に掲載されるため5)、今回は感染防止対策加算に関連した設問の集計・解析結果を報告する。

最終更新日:2020年11月26日
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