日本化学療法学会

委員会報告・ガイドライン

新規抗菌薬の開発に向けた6学会提言のファクト・シートに関する訂正

(2015年8月28日 掲載)

日本化学療法学会創薬促進検討委員会 委員長 舘田一博

 平成26年5月1日付けにて6学会で提言させていただいた「耐性菌の現状と抗菌薬開発の必要性を知っていただくために」のファクト・シートに関しまして、一部内容に誤りがあることが判明いたしました。具体的な内容としては、「表3.耐性菌感染に伴う入院患者一人あたりの医療費の増大と入院期間の延長」について、追加コストの額が実際とは異なっておりました。また併せて一部、曖昧な表現がある点も判明いたしました。つきましては、以下に修正をさせていただきますので、関係各位におかれましては、修正後の内容をご参考にしていただければ幸いです。なお、今回の件につきましては、内容に誤りがあった点について深くお詫びいたします。また、ご指摘いただいた信州大学医学部附属病院感染制御室の金井信一郎先生に感謝いたします。

修正点の概要

  1. 追加医療コストの額の修正
    術後感染症に伴う追加医療コストを“2,400万円”と記載しておりましたが、正しくは“240万円”でした。この額は参考文献の「ReAct, Action on Antibiotic Resistance 2012」1)には24万ドルという記載があったため、それに基づいて“2,400万円”と算出しておりました。しかし元々の論文2)では2万4千ドルという表記になっておりましたため、論文1)の誤記であることが判明しました。
  2. 追加医療コストの算出対象となる耐性菌感染症の明確化
    以前、提示しておりました表3は“感染症の種類”として各種耐性菌による感染症の名称を挙げておりましたが、例えば“MRSA感染症”はMSSA感染症を合併した場合と比較して追加される医療コストを意味しております。その他の項目についても、対象となる感染症の表現に曖昧な点がありましたので、補足説明を修正させていただきます。また、“術後感染症”の項目は“術後MRSA感染症”と修正させていただきました。

参考文献

1)ReAct, Action on Antibiotic Resistance 2012
http://www.reactgroup.org/uploads/react/resources/195/Burden.of%20Antibiotic%20 Resistance%20-%20ReAct%20Facts%202012.pdf
2)Anderson DJ, Kaye KS, Chen LF, Schmader KE, Choi Y, Sloane R, et al: Clinical and Financial Outcomes Due to Methicillin Resistant Staphylococcus aureus Surgical Site Infection: A Multi-Center Matched Outcomes Study. PLoS ONE www.plosone.org, 15 December 2009, Volume 4, Issue 12.

ファクトシートはこちらからご確認ください。
創薬促進検討委員会:新規抗菌薬の開発に向けた6学会提言
「耐性菌の現状と抗菌薬開発の必要性を知っていただくために」―提言発表の背景と目的―

最終更新日:2015年8月28日
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