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お知らせ

学会より

バンコマイシンTDMソフトウェアPATver.1.0 Practical AUC-guided TDM for vancomycin AUC-guided dosing & monitoring 普及を目指して

(2020年10月1日 掲載)

 バンコマイシン治療において、トラフ値15–20μg/mLが目標値に設定されてきたこともあり、腎障害が再びクローズアップされています。そのため、area under the time concentration curve(AUC)の代替指標として慣れ親しんできたトラフ値はもはや限界となってきました。米国感染症学会など複数の学会から発表された「TDM of VCM for MRSA infections: A revised consensus guideline」でも、臨床効果と安全性からAUC/MIC 400–600を目標とし、重症MRSA感染ではトラフ-only は推奨しないとしています。

 本学会もちょうど抗菌薬TDMガイドラインの改定中であったため、急遽その対応をいたしました。最近ではBayesian softwareによるAUC評価が中心となっていますが、ガイドラインで推奨する上で、日本人の母集団解析を行ったソフトウエアの開発が前提になると考えました。今後本ソフトウエアのさらなる検証が必要になってきますが、さしあたって2つの研究を行い、その有用性も確認いたしました。

 以前から日本の抗菌薬TDMガイドラインでは、AUCはトラフ値のみでなくピーク値も加えた2ポイント採血で求めるべきとしてきました。AUCの適応として重症MRSA感染症や腎機能低下高リスク患者としており、AUCを求めるからにはより正確な評価が必要で、この方針は変えるつもりはありません。ただし、通常の体重の範囲で、腎機能がある程度保たれていれば、1ポイント採血で求めたAUCでも、2ポイントの場合とのずれはそれほど大きくないとの臨床研究結果が得られました。従いまして、非重症患者などでトラフ値のみを測定した場合、せっかくですのでAUCも併せて評価いただけたらと存じます。

 以前から、本ガイドラインはソフトウエアに過度に依存した投与設計は反対の姿勢で、基本的なPK/PDに関する知識を得たうえで活用する必要があると、ことあるたびに強調してきました。しかし、抗菌薬TDMガイドラインもこれで3冊目になり、集積されてきたエビデンスも踏まえ、そろそろソフトウエアを推奨してもよい時機になったと判断いたしました。今後は小児や肥満患者などへ使用可能なソフトウエア開発も課題となりますが、日本におけるAUCガイドの投与設計、モニタリング普及のために本ソフトウエアの活用を何卒よろしくお願い致します。

日本化学療法学会 抗菌薬TDMガイドライン作成委員会
委員長 竹末 芳生

日本化学療法学会 TDMソフトウェア開発ワーキンググループ 委員(敬称略)

  • 尾田 一貴 熊本大学病院 薬剤部・感染制御部
  • 木村 利美 東京女子医科大学病院 薬剤部
  • 辻  泰弘 日本大学薬学部 薬剤師教育センター
  • 庄司 健介 国立成育医療研究センター 生体防御系内科部 感染症科
  • 高橋 佳子 兵庫医科大学病院 薬剤部
  • 松元 一明 慶應義塾大学薬学部 薬効解析学講座
  • 川村 英樹 鹿児島大学病院 感染制御部
  • 竹末 芳生 兵庫医科大学感染制御学

【会員限定】
バンコマイシンTDMソフトウェア PAT ver.1.0

※日本化学療法学会 会員に限った使用をお願い致します。

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