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委員会報告・ガイドライン

委員会報告集

多剤耐性菌に対する治療戦略ワーキング委員会:
カルバペネマーゼ産生Klebsiella pneumoniae肺炎マウスモデルにおけるカルバペネム系抗菌薬およびアミノグリコシド系抗菌薬の併用療法の有効性評価

(2019年9月11日 掲載)

太田 賢治、賀来 敬仁、栁原 克紀
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科病態解析・診断学
長崎大学病院検査部

要旨

 カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)の拡散が世界的に問題となっている。肺炎の主要な原因菌であるKlebsiella pneumoniaeでもCREが増加しており、特にカルバペネマーゼ産生腸内細菌科菌の割合が高い。本研究では、カルバペネム系抗菌薬およびアミノグリコシド系抗菌薬の併用療法の有効性をカルバペネマーゼ産生K. pneumoniae(CP-Kp)肺炎マウスモデルを作成して評価した。
 CP-Kp臨床分離株を用いて肺炎マウスモデルを作成した。感染6時間後から治療を開始し[メロペネム(MEPM)100mg/kg、6時間ごと、アミカシン(AMK)100mg/kg、12時間ごと 腹腔内投与]、無治療(control)群、MEPM群、AMK群、MEPM+AMK併用群で生存率、治療開始36時間後の肺内・血液内生菌数、気管支肺胞洗浄液(BALF)中好中球数、肺病理所見を評価した。
 Liquid-agar法によりCP-Kp株をBALB/cマウスに経気管投与する肺炎マウスモデルを確立した。治療実験では、control群では感染96時間後までにすべてのマウスが死亡したが、MEPM群、AMK群、併用群では死亡したマウスはみられなかった。肺内生菌数(log10CFU/mL、mean±SEM、n=3~4)は、併用群で2.00±0.00であり、MEPM群(6.38±0.17)、AMK群(6.17±0.16)よりも有意に減少していた。BALF中好中球数(log10CFU/mL、mean±SEM、n=4)はcontrol群5.94±0.01、MEPM群5.36±0.08、AMK群5.33±0.04、併用群5.00±0.09であり、併用群は有意に細胞数が少なく、病理所見でも炎症細胞浸潤や肺胞出血所見の軽減がみられた。以上の結果から、CP-Kp肺炎においてMEPMとAMKの併用療法は単剤治療と比較して有効であることが示された。