ページの先頭です
  1. ホーム >
  2. 委員会報告・ガイドライン一覧 >
  3. 「コリスチンの適正使用に関する指針」作成委員会:コリスチン製剤の適正使用に関するお願い
委員会報告・ガイドライン

委員会報告集

「コリスチンの適正使用に関する指針」作成委員会
コリスチン製剤の適正使用に関するお願い

(2017年10月24日 掲載)

会員各位

 コリスチンメタンスルホン酸ナトリウム点滴静注用製剤(以下、本剤)は、以前は日本においても抗菌薬として臨床使用されていたものの、安全性の懸念により一時使用が中止されました。しかし、近年、多剤耐性菌感染症に対する懸念が高まるなか、日本化学療法学会では「コリスチンの適正使用に関する指針」を作成すると同時に、未承認薬検討委員会のなかにもコリスチン検討部会を立ち上げ、本剤の必要性について議論してまいりました。その結果、本剤は2015年3月に承認を得て、再発売に至りました。

 本剤の承認にあたっては、適正使用及び耐性菌の発現防止等の保健衛生上の観点から、厚生労働省より本学会に対して留意事項の周知を依頼されており、この度、本剤販売企業より添付文書の記載事項の遵守状況について下記の通り報告がありました。

  1. 本剤は安全性の観点から、個々の患者の腎機能に応じて用量を適正に調整することが必要です(下記資料)。しかしながら、使用成績調査において調査票を回収し解析した結果、初回の1日投与量が不適正(過剰投与)例は135例中46例34%)に見られました(下記資料)。
  2. 本剤は、コリスチンに感性で他のβ-ラクタム系、フルオロキノロン系及びアミノ配糖体系の3系統の抗菌薬に耐性を示す一部のグラム陰性菌にのみ使用が認められています(下記資料)。従って、本剤の使用に際しては必ず原因菌を確定し、感受性試験を実施の上で適応の是非を決定しなければなりません。しかるに、使用成績調査の検討では、安全性解析症例145例中8例が適応外菌種または原因菌不明例でした。さらに適応菌種が原因で本剤が使用された137例での解析では、28例(20%)で、コリスチンの感受性試験が未実施でありました(下記資料)。

 本剤が適正に使用されない場合には、腎毒性等の安全性上の問題や耐性菌の出現等が顕在化することが懸念され、その結果、将来的に本剤の使用が制限される可能性もあります。本剤が多剤耐性菌感染症に対する治療手段の一つとして引き続き使用できるよう、会員各位におかれましては、この趣旨をご理解の上、本剤の用法・用量を腎機能に応じて調節いただくことや、本剤の適応菌種の厳正な適応、並びに感受性検査の実施体制を整えるなど、添付文書の記載事項に則った適正使用にご協力下さいますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

公益社団法人日本化学療法学会
理事長 清田 浩

添付文書(PDFファイル 465KB)

資料:コリスチンの適正使用に関する状況(PDFファイル 163KB)