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委員会報告・ガイドライン

委員会報告集

UTI薬効評価基準見直しのための委員会
『尿路性器感染症に関する臨床試験実施のためのガイドライン―第1版―』

論文名

尿路性器感染症に関する臨床試験実施のためのガイドライン―第1版―

委員会

日本化学療法学会UTI薬効評価基準見直しのための委員会

  • 委員長
    松本 哲朗
  • 委員
    高橋  聡、清田  浩、安田  満、石川 清仁、高橋  彰
    山本 新吾、荒川 創一、門田 晃一、村谷 哲郎、濱砂 良一
    速水 浩士
  • その他のUTI共同研究会メンバ
    公文 裕巳、渡辺 豊彦、上原 慎也、川原 元司、中川 昌之
    山根 隆史、石原  哲、出口  隆、菊池 達也、内藤 誠二
    野村 博之、平賀 紀行、金丸 聰淳、小川  修、守殿 貞夫
    重村 克巳、田中 一志、中野 雄造、藤澤 正人、三浦 徹也
    国島 康晴、塚本 泰司、松川 雅則、山田 陽司、赤坂聡一郎
    小野寺昭一、島  博基、繁田 正信、星長 清隆、長田 幸夫
    和田耕一郎

UTI薬効評価基準の改定に当たって(改定版の命名を含めて)

 UTI薬効評価基準は、1970年代に尿路感染症に関する研究者が集い、最初の判定基準が報告された。尿路感染症に対する薬剤の開発において、それまで薬剤の効果に関する統一的な基準が存在せず、それぞれの薬剤で異なった判定法を用いていたため、効果判定に問題があり、薬剤相互の比較も困難であった。このような問題点を解決すべく、多数の研究結果に基づいた薬効評価基準が制定された。この間、故大越正秋先生、故石神襄次先生、故西浦常雄先生、町田豊平先生、熊本悦明先生、熊澤淨一先生、河田幸道先生、河村信夫先生、守殿貞夫先生はじめ、多くの先輩の努力により、わが国のUTI薬効評価基準は世界に先駆けて作成され、尿路感染症治療に用いられる抗菌薬の開発に多大なる貢献をしてきた。1989年には、「Clinical evaluation of drug efficacy in UTI」という国際シンポジウムが東京で開催され、わが国の薬効評価基準を世界に向けて公表した。さらに、この流れから国際UTIシンポジウムが生まれ、2年ごとに国際化学療法学会に合わせて開催されるようになり、現在まで10回を数えている。
 わが国におけるUTI薬効評価基準は、尿路感染症研究会にて作成され、尿路感染症のほか、前立腺炎、精巣上体炎、尿道炎などの種々の泌尿器科領域感染症を対象とし、第3版まで改定を重ねてきた。一方、米国におけるIDSA/FDAのガイドラインやヨーロッパにおける薬効評価基準などが制定され、抗菌薬開発のグローバル化とともに、国際的なハーモナイゼーションが求められるようになった。この流れに応え、かつわが国で蓄積したデータとの互換がはかれるように、日本化学療法学会臨床評価法制定委員会泌尿器系委員会において検討がなされ、1996年にUTI薬効評価基準第4版暫定案および追補が作成された。
 しかし、国際共同開発、海外データの外挿、ブリッジング試験の導入などが活発となり、さらなる国際的ハーモナイゼーションの必要性が増してきた。しかしながら国際的なハーモナイゼーションは、欧米とわが国における尿路感染症の病態や診断に関する相違や薬効判定と臨床的治癒判定の考え方の相違などにより、困難な点が多かった。また、UTI薬効評価基準第4版暫定案は、やや煩雑な面があり、臨床現場における薬効評価の簡素化を求める意見も出されていた。このような観点から、今般、UTI薬効評価基準の見直しを行うこととなった。
 下記委員会で、その作業を行う過程において、新しい改定版をUTI薬効評価基準第5版とすることが妥当とされたが、2008年11月1日の第19回尿路感染症研究会でのシンポジウム「UTI薬効評価基準第5版について」において、その内容の骨子を紹介し、会員の討論に付したところ、この改定版は、「尿路性器感染症に関する臨床試験実施のためのガイドライン」と命名すべきであるとの意見が多数を占めた。なお、本改定版の作成にあたっては、下記委員およびその他のUTI共同研究会のメンバーの多大なる協力があったことを付記する。(委員長 松本哲朗 記)

尿路性器感染症に関する臨床試験実施のためのガイドライン―第1版―(PDF 338KB)

日本化学療法学会雑誌 Vol. 57, 2009年6号(11月) p.511~525