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学会概要・学会賞

理事長挨拶

理事長ご挨拶

 昨年理事長に就任し、2年目の任期を迎えるにあたり会員の皆様にご挨拶させていただきます。

 昨年度は感染症と抗菌化学療法にとりまして節目の年となりました。伊勢志摩サミットで世界的な薬剤耐性菌問題が議題として取り上げられ、それに先駆けて内閣府から薬剤耐性菌(AMR;antimicrobial resistance)アクションプランが発表されました。この中で強調された具体策の中核を成すものに抗菌薬適正使用の推進(AS;Antimicrobial stewardship)があります。このASは抗微生物薬を研究対象とする本学会が長年にわたり取り組んできた最重要課題です。本学会としてはこのASをさらに進化させるべく関連8学会と共同で抗菌薬適正使用支援プログラム実践のためのガイダンスを作成中で近々公表される予定です。また、これに並行して厚生労働省からも抗菌薬適正使用の手引き第一版が最近公表されており、今後国を挙げてASに取り組むようになると思われます。毎年年末に開催されます耐性菌シンポジウム、薬剤耐性菌対策の一般市民への啓発を目的とした市民公開講座も引き続きおこなってまいります。

 一方、本学会に限らず「学会の在り方」も変化しつつあります。医学研究は産官学が協力して推進するものですが、この関係も変貌しており、学会にはさらなる効率化が求められています。昨年度から取り組んでいる「効率化」は大きく2点あります。第一点は学会和文誌である日本化学療法学会雑誌の冊子体配布の中止であります。本誌はすでに電子ジャーナル化されており、会員には発刊当初から、非会員には発刊後6か月後から無料で閲覧可能となっております。この今までの電子ジャーナルを一層ご活用いただきたいと存じます。これまで学会和文誌で掲載してまいりました会告、各種お知らせにつきましてはメール配信で皆様にお伝えしてまいります。ただし、今まで通り冊子体をご希望となる個人会員の方々には来年度(平成30年4月)から有料で(年間5,000円)冊子体の配布を継続することができます。第二点は抗菌化学療法認定医・指導医・認定薬剤師制度の充実であります。今までは抗菌薬適正生涯教育セミナーの年1回の1日コースおよび年2回の半日コースの講習会を開催し、地方は5ヶ所で1日コースのビデオセミナーをおこなってまいりました。地方の会員の先生方には何かとご不便をおかけしておりましたので昨年度からは地方でのビデオセミナーを廃止し、1日コースの内容をe-learningで学習できるようにいたしました。諸事情によりこれらは有料化させていただきますが、担当委員の方々には全員一丸となってその充実に取り組んでいただいております。今後のセミナーにどうぞご期待いただければと存じます。

 また、関連3学会(本学会と日本感染症学会、そして日本臨床微生物学会)が製薬企業のご支援のもと2000年から取り組んでまいりました抗菌薬感受性全国サーベイランスですが、これも諸事情により今まで毎年2疾患を対象におこなってまいりましたものを1疾患に縮小しなければならない事態に追い込まれております。このサーベイランスは本学会の中核を成す事業ですので今後効率化を図り続けていく所存です。

 さらに学術集会は、第65回日本化学療法学会学術集会は第91回日本感染症学会総会・学術講演会と合同で去る4月に東邦大学医学部大橋病院外科学教授の草地信也先生を会長として開催されました。塩崎恭久厚生労働大臣にもわが国の薬剤耐性菌対策アクションプラン誕生の秘話についてご講演いただき、会員の皆様の多大なるご支援、ご協力のもと成功裏に終了いたしました。秋には東京で第64回東日本支部総会が、長崎で第65回西日本支部総会が各々日本感染症学会地方会と合同で開催予定です。

 会員の皆様におかれましては、今後も益々のご活躍を祈念するとともに、本学会へのご支援、ご協力をお願い申し上げます。

平成29年6月吉日

公益社団法人日本化学療法学会
理事長 清田 浩